この消毒剤本当に大丈夫?

オートクレーブで滅菌が出来ない診療器材を消毒剤で対応する事は間違っていないのですが、この消毒剤で本当に大丈夫か?不安になることがあります。

洗浄剤に「抗菌」、「除菌」と記載されている製品で消毒(除菌)していると勘違いされているご施設が本当に多いです。多くのご施設で言われるコメントは「材料屋さんがこれで大丈夫!と言われたから。」です。時代は変化しています。正しい情報を受け取ってください。

「洗浄剤」と「消毒剤」は違います。

滅菌に準じる化学処理に使用できる消毒薬
滅菌に準じる化学処理に使用可能な消毒薬として、グルタラール、過酢酸および次亜塩素酸ナトリウムなどが挙げられる。なお、フタラールは枯草菌(Bacillus atrophaeus)などのバチルス属(Bacillus spp.)の芽胞に対する効果が弱いので、滅菌に準じる化学処理には適さない。

<消毒薬による化学処理に要する時間>
芽胞は微生物のなかでもっとも消毒薬抵抗性が大きいが、特にバチルス属の芽胞は消毒薬抵抗性が大きい。したがって、バチルス属の芽胞を殺滅すれば、「消毒」というよりむしろ「滅菌」になる。
枯草菌の芽胞に対する各種消毒薬の効果。アルブミン非添加時では0.3%過酢酸(アセサイド®など)では5分間、3%グルタラール(ステリスコープ®など)では6時間、0.1%(1,000ppm)次亜塩素酸ナトリウムでは20分間で殺滅効果を示した。なお、0.55%フタラール(ディスオーパ®)では107 個の芽胞の殺滅に72時間が必要であった。
以上から、消毒薬による化学処理に要する時間は、0.3%過酢酸で5分間、3%グルタラールで6時
間、また0.1%(1,000ppm)次亜塩素酸ナトリウムで1時間である。

参考:医療現場における滅菌保証のガイドライン2021(229ページ)https://www.jsmi.gr.jp/wp/docu/2021/10/mekkinhoshouguideline2021.pdf