歯科用ユニットの清拭について
歯科用ユニットの清拭方法についてよく質問をいただきます。
歯科用ユニットを患者ごとに除菌剤や消毒薬などで清拭、またはラッピングする場合と、しない場合に比べて院内感染を防止するのに有効ですか?
<回答>
臨床的な接触面、特に洗浄が難しい表面(歯科用ユニットのスイッチなど)の細菌汚染を防止するために、ラッピングなどの表面バリアを使用し、患者ごとに交換することが勧められます。また、表面バリアで覆われていない歯科用ユニットの臨床的な接触表面については、患者治療ごとに環境用除菌剤やクロス(洗浄剤成分と消毒薬を配合)で清拭します。血液や体液を認めた場合は、前述の環境用除菌剤で汚染物を拭き取ってから消毒薬(70%消毒用アルコールや0.05%次亜塩素酸ナトリウム)を用いて汚染した部分をピンポイント消毒することが院内感染防止に有効であり推奨されています。
<解説>
CDC(米国疾病予防管理センター)は、環境汚染対策として、歯科用ユニットのスイッチ部等に患者ごとにラッピングなどの表面バリアを施すことや、チェアーの座部等の平坦な部分を消毒薬による清拭を行うことを勧告している 。これらの方法は院内感染を防止するのに有効といえる。
また、目に見える血液で汚染されている部位を消毒するときは、次亜塩素酸ナトリウム (5,000ppm)を用いると、30 秒以内に各種被験ウイルスが不活性化されたという報告がある。
参考:厚生労働省委託事業「歯科診療における院内感染対策に関する検証等事業」
一般歯科診療時の院内感染対策に係る指針(第 2 版):https://www.mhlw.go.jp/content/000510471.pdf