「医療現場における滅菌保証のガイドライン2021」一般社団法人日本医療機器学会について
1.ガイドラインの目的と適用範囲
本ガイドラインの目的は、医療施設でおこなわれる医療機器の再生業務(滅菌供給)の品質を維持し、患者の安全を確保することです。品質を維持するとは、具体的には「再生処理された医療機器の無菌性を保証すること」、つまり、再生処理された医療機器における微生物の存在確率が10-6 以下(百万分の1)であることを保証することです。
本ガイドラインには、そのために滅菌供給部門で考慮すべきことを網羅して記述しています
2.臨床診断/治療ガイドラインとの違い
臨床医学の診断や治療においては、たとえガイドラインを完全に順守したとしても、必ずしも正しい診断や良好な治療結果が得られない場合があります。これは「医療の不確実性」であり、診断や治療の手順がまったく同じであっても、そこから得られる結果にはばらつきが生じます。
一方、滅菌保証のガイドラインは無菌性(SAL≦10-6 )を確実に保証するに至る一連の工程管理を記述したものですので、原則としてすべてを順守することにより無菌性が保証されます。
後述しますが、これは製造業における品質マネジメントシステム*1(QMS:qualitymanagement system)的考え方の上に成り立ちます。
参考:医療現場における滅菌保証のガイドライン2021(https://www.jsmi.gr.jp/jsmi-info/guideline2021/)