「針刺し事故について」
針刺し事故について思う事があります。先生とスタッフの意識の差です!
院内感染対策勉強会を行った約500施設で「針刺しの経験」をお聞きするとほとんどの施設のスタッフの手が上がります。
「針刺し」をしてしまったことを「院長に報告しているか?」多くのスタッフが報告をしていない現状です。幾人かのスタッフにお聞きすると「針刺しは普通の事で特に気にしていない!」とのコメント。感染していなかったことは「運がよかった。」としか思えません。
気を付けなければならない感染症はHBV、HCB、HIVだけではありません。「新興感染症・再興感染症」にも気を付けなければなりません。「針刺し」をして後日、感染症に罹患したことが判明した場合どうされますか?
感染対策の対応方法については教育しなければいけませんし習っておかなければいけません。改めてブログに書かせていただきました。今年に入ってからも数件、院長先生からスタッフの針刺し事故の対応についてご相談を受けています。罹患してしまったらその方の人生に影響を与えてしまう可能性があります。
以下の文面は過去にブログへ投降した内容です。参考にして頂ければ幸いです。
先週、院長から連絡がありました。「スタッフが針を刺してしまった!適切な対応方法を教えて欲しい。」という内容です。
医療従事者の皆さんにお尋ねします。皆さんならならどうされますか?
いざと言う時に必要な物は「オリジナル感染対策マニュアル」です。
針刺しや切創を起こしてしまった場合の対応策について記しておきます。参考にしてください。
「原因器材に血液等の汚染がある、血液や体液による粘膜への曝露がある場合」
1・応急処置を行う
針刺し・切創部位を直ちに流水と石鹸で十分に洗う。血液を絞り出したり損傷部位を消毒する必要はない。(感染率に差はみられない)
口腔、目に入った場合は以下の対処を行う。
・口腔:大量の水道水でうがいを行う。
・眼 :水道水で十分に目を洗浄する。
- 正常でない皮膚への暴露は、汚染部位を流水と石鹸で十分に洗う。
2・当事者は直ちに以下の検査を行う。
注)〇〇病院で受診し感染症等の検査を行う(24時間対応の救急指定病院・総合病院)※予め受診や検査が可能かどうか確認しておく。
(1)検査項目:HBs抗原・HCV抗体*・HIV抗体・梅毒TP抗体・AST・ALT・妊娠反応(妊娠の可能性があるとき)。
3・針刺し切創や血液体液曝露について汚染源患者を特定する
●患者が特定できる場合
(1)患者のHBs抗原、HCV抗体、HIV抗体、梅毒TP抗体を確認する。
・過去6ヶ月以内の検査結果で評価する。
(2)患者が未検査、または過去6ヶ月以内に未検査の場合、『採血及び感染症検査に関する説明同意書』を使用し、患者又は家族の同意を得て〇〇病院で感染症検査を実施する。
・承諾が得られない場合は、感染症不明で対応する。
・患者の同意を得ることが困難な場合は家族より同意を得る。
【備考】
・検査説明と同意について院長または担当医師が行う。
・患者の検査項目は、HBs抗原、HIV抗体、HCV抗体、梅毒TP抗体を実施する。
●患者が特定できない場合
汚染血液はHBs抗原、HCV抗体、HIV抗体、梅毒TP抗体陽性と考える。
原則として、対象患者が特定でき感染症がある場合は労災扱いとなるが、それ以外は自費となる場合がある。
時間内・時間外であっても直ちに院長や感染対策担当者に報告して〇〇病院にて受信し検査を行う。
1か月後、3か月後、6か月後に受診して追跡検査を受ける。
「オリジナル感染対策マニュアル」の作成をお手伝いさせて頂く準備をしています。必要だ思われるご施設がございましたらお気軽にご相談ください。